統合失調症は、さまざまな刺激を伝えあう脳をはじめとした神経系が障害される慢性の疾患です。
遺伝的背景や原因についてはいまだに十分明らかになっていませんが、ドーパミン系やセロトニン系といった、緊張・リラックスを司る神経系や、意欲やその持続に関連する系列、情報処理・認知に関する何らかの系列にトラブルが起きているといわれています。
統合失調症は、主には10代後半から20代に発症することが多い精神疾患です。
人口における生涯有病率は、1~1.5%で、100人に1人くらい発病する比較的多い疾患です。
統合失調症の症状は大別して陽性症状と陰性症状の2つに分けられます。
陽性症状は、急性期に多くみられ、幻聴などの幻覚、妄想、自我障害などです。
陰性症状は、感情の平板化、無気力、社会的引きこもり、などの症状があります。
双極性障害ともいいます。躁状態とうつ状態をくりかえす精神疾患です。躁状態とは、多弁、多動となり、何でもできると気が大きくなり、落ち着きがなくなり、次から次へと考えが浮かんできたりする状態のことです。躁状態とうつ状態の両方を認める場合、また躁状態だけの場合を双極Ⅰ型障害、軽い躁状態とうつ状態の両方を認める場合を双極Ⅱ型障害と診断します。
PTSDとは、何か破局的な、死を意識するような出来事を経験した後、長く続く心身の病的反応です。
ここでいう体験とは、事故、災害、戦闘、虐待、犯罪(暴力、強姦など)によって自分が死にかけたり、親しい人が死んだり、死にかけるのを目撃することです。
子どもの場合には、虐待や無視・放置、他者の被害の目撃が成人以上に外傷体験となり得ます。
PTSDについては、外傷的な出来事を経験した人が、次の3つのカテゴリーの症状を同時に満たす際にこの診断を受けることになります。
1つは、フラッシュバックや悪夢や幻覚のような形での外傷的な出来事を再体験することです。2つ目は、想起不能や意欲の低下のような形で、(外傷に関連した)刺激に対する持続的で全般的な反応性の麻痺です。3つ目は、易刺激性や過度の警戒心、入眠困難という形の覚醒亢進状態です。